江戸川区議会

選挙公報からみえる江戸川区の課題

選挙公報に掲載された情報の分類

ここでは選挙公報について詳しく見ていくことにする。

4.1 候補者の選挙公報の分類

選挙公報の内容を以下の6つに分類した。

  1. 政党の政策を軸に自らの特徴を述べている候補者
  2. 政治理念と政策を丁寧に述べている候補者
  3. 政治理念のみを述べている候補者
  4. 人柄のみ(自己紹介)を述べている候補者
  5. 過去の実績のみを述べている候補者
  6. 選挙公報の文字が読めない候補者
(1)政党の政策を軸に自らの特徴を述べている候補者

江戸川区議会の候補者は無所属よりも、政党公認、推薦が多いので、同じ政党であればほぼ同内容になる傾向にある。ただし、自民党に所属する候補者は独自の政策を述べているようだ。このあたりは、政党の方針であると推測される。

(2)政治理念と政策を丁寧に述べている候補者

自民党候補者、無所属の候補者にあっても、このパターンがオーソドックスな形になっている。選挙公報を読めば、どのような政策提言を行っているかがわかる。

(3)政治理念のみを述べている候補者

政治理念はあるが、具体的な政策が述べられていない。政策というよりも、政策領域を述べているに過ぎない。たとえば、「防災」や「安全・安心」の推進といった政策は、誰もが否定することができない領域である。このような問題提起では、有権者はその政策の善し悪しを選択することができない。有権者が選挙公報を読んでも、その人となりがまったくわからないということの理由はこのあたりにあるかもしれない。

(4)人柄のみ(自己紹介)を述べている候補者

「候補者を選ぶ際に重要なのは人柄である」ということもしばしば耳にする。しかし、人柄を紙面で伝えることができるのか。せめて、理念や政策も述べてほしい。

(5)過去の実績のみを述べている候補者

現職議員と思われるが、過去の実績のみでは情報不足は否めない。過去の実績によって議員を選択するという行為が選挙では当たり前なのかもしれない。政治家はキャリアを積めば、必ず良い判断ができるのであろうか。過去の実績にとらわれて、改革をよしとしないケースもありはしないか。どの分野においても過去の成功体験がマイナスに働くことだってあり得るのだ。また、安定というメリットがあるが、固定化してしまえば政治に変化をもたらすことがなくなるのではなかろうか。その意味では、現職も過去の実績のみならず今後何をするのかということを述べて欲しい。

(6)選挙公報の文字が読めない候補者

選挙公報を有権者に読んでもらうというのではなく、URLを記載することによってホームページを読んでもらおうとする戦略なのであろう。選挙公報から得られる情報についえてあまり価値あるとはいえない。

4.2 選挙公報が有権者に届くタイミング

2015年の統一地方選挙(江戸川区議会議員挙選挙)においては、4月19日(日曜日)が告示日、その次の日曜日(4月26日)が投票日だった。朝・夕の駅前も次第に騒がしくなり、政党からのお知らせが新聞折込にも入ってくるようになってきた。3大紙のいずれに入っているかは確認していない。

4月19日(日曜日)以降に、ようやく候補者選定情報を手に入れることができた。

江戸川区議会議員選挙・江戸川区長選挙特設サイトには、以下の案内があった。

江戸川区公式サイトからの引用

候補者を選ぶために、立候補者一覧、選挙公報をホームページに掲載します。また、選挙公報につきましては4月24日(金曜日)までに全戸配布をします。なお、区内に512ヶ所のポスター掲示場を設置します。

個人的に、できるだけ候補者のチラシ(討議資料やニュースなど)をもらうように心がけているが、なかなか候補者の情報を得ることができない。

2015年4月26日の統一地方選挙の候補者選定情報

4.3 選挙公報から見えてくる江戸川区の課題

選挙において候補者をいかに選ぶか。そのひとつの基準としてあげられるのが、その候補者が、どの地域に、どのような課題意識をもち、いかに解決しようとしているのかについて賛同できるか否かである。自分が抱える問題意識と同じ、もしくは近ければ、その解決に尽力してくれることを期待できるからだ。
そこで、2015年4月の選挙において、候補者が公表した選挙公報から江戸川区がかかえる地域の課題について整理した。あくまでも、選挙公報に掲載されている情報(候補者が提示している政策論点)ではあるが、今後、江戸川区議会でも議論される可能性が高い論点になっていると思われる。選挙公報には、書式(形式的なフォーマット)は定められているものの、その内容は候補者の自由になっている。そのため、課題や政策の細部を分類・整理することは難しい。ここでは、候補者がどのあたりに問題意識があるのかについて、大まかに分類することにした。

福祉・健康

少子・高齢社会にあって、この「福祉・健康」分野が論点になっていない地方選挙はないであろう。当然、候補者からみれば投票率が高い高齢者世代を狙っている政策である。国民健康保険介護保険といった身近な政策は理解されやすいだろう。

子育て・教育

「子育て・教育」も、都内どの区であっても論点になっている。子育て支援女性の就労に関する問題である。子育て関連施設を拡充すべしという政策が多くみられる。選挙公報上では区による拡充なのか、民間活用なのか踏み込んでは述べられていない。今よりも拡充することが重要であり、その運営主体は次の問題なのであろうか。また、教育については、学力の向上は当然であるが、そのなかで歴史・道徳教育といった教育内容にまで踏み込んだ政策がみられる。

まちづくり・環境

「まちづくり・環境」に、江戸川区特有の南北交通の問題が登場している。また、環境問題に関しては、23区のなかで軽犯罪が相対的に多い江戸川区にあって、パトロール、防犯カメラなど具体的な政策がみられる。防災については、どの地域においても大きな論点のひとつであろう。想定されるリスクの大きさとその対策についての妥当性が問われる課題だ。水辺環境の整備なども江戸川区独特であろう。

地域振興・産業振興

「地域振興・産業振興」においては、雇用創出産業の活性化が大きな論点であろう。雇用創出は国や東京都も力を入れている課題である。また、昨今地方都市で盛んなシティプロモーションについても論点にあげられている。都市部の自治体にとってシティプロモーションをどのように政策に位置づけるのかは大いに議論してもらいたい。

その他

「その他」の中での期待するものは議会改革である。しかし、予想に反して、議会改革に言及している候補者が少ない。とくに現職議員は議会改革の主張は遠慮がちだ。主張するほどに、これまでにはなぜ、改革してこなかったのかということになるからである。しかし、議会不信や投票率の低下は江戸川区も例外ではない。市民に見える形での議会改革が期待される。また、ハコモノ行政の廃止やコミュニティ会館の建設といった矛盾する政策もみられるので、このあたりは議会で活発な議論を期待する。

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